Unityの「Audio Filter」系コンポーネントは、音を鳴らす「Audio Source」に追加することで、流れる音に様々なエフェクトを掛けることができます。
clusterではBGMや効果音のほか、同じくAudio Sourceを利用する「サブ音声」にも適用することができます。
使い方
Audio Filterを使う場合、まずはワールドに音源となるAudio Sourceを設置します。
Audio Sourceの使い方は以下の記事などを参考にしてください。
また、サブ音声のAudio SourceにもAudio Filterを適用することができます。
サブ音声の使い方はこちらの記事を参照してください。
音源を設置できたら、Audio Sourceコンポーネントと同じオブジェクトに「Audio 〇〇〇〇 Filter」というコンポーネントのいずれかを追加します。

それぞれのフィルターごとに、Audio Sourceから流れる音にさまざまな効果を与えることができます。
各コンポーネントの機能を紹介していきます。
さまざまな「Audio Filter」の紹介
Audio Low Pass Filter|壁の向こうから音が聞こえるような
高い音を聞こえにくくし、くぐもった音にするフィルターです。
壁の向こうから音が聞こえる、などといったシチュエーションで使えます。「Cutoff Frequency」を小さくすると効果が強くなります。
Audio High Pass Filter|小型ラジオから聞こえるような音に
低い音を聞こえにくくし、軽い印象の音にするフィルターです。
小型のラジオやおもちゃなどから聞こえるような音になります。「Cutoff Frequency」を大きくすると効果が強くなります。
Audio Echo Filter|やまびこのような表現に
やまびこのように遅れて反響が返ってくるフィルターです。
「Delay」には音が返ってくるまでの時間をミリ秒(1000ミリ秒=1秒)単位で設定します。
「Decay Ratio」は返ってきた音が小さくなる比率です。1.0に近いほど元の音量に近い大きさ、0.0に近いほど小さな音になって返ってきます。
Audio Distortion Filter|ジャギジャギとした「歪んだ」音に
エレキギターのディストーションのように、ジャギジャギとした「歪んだ」音にするフィルターです。
「Distortion Level」の値を上げると効果が大きくなりますが、性質上非常に大きな音になる場合があるため注意してください。
Audio Reverb Filter|洞窟の中のように音が響いて聞こえるように
コンサートホールや洞窟の中などのように、音が響いて聞こえるフィルターです。
設定項目が非常に多く複雑ですが、さまざまな環境に合わせたプリセットから選ぶことで簡単に設定できます。
Audio Chorus Filter|コーラスを重ねた音のように
コーラスを重ねたような厚みのある音にするフィルターです。
フィルターを組み合わせたり、ギミックと組み合わせると……
例えばAudio High Pass FilterとAudio Echo Filterを設定すると、スピーカーからのアナウンスのような聞こえ方にできます。サブ音声と組み合わせてみると面白いかもしれません。
他にもギミックやアニメーションと組み合わせて、「扉や蓋が閉じているときと開いているときで聞こえ方が変わる」などといった凝った演出もつくることができます。
状況に合わせて音の聞こえ方が変わると、ワールドの没入感が高まります。
サブ音声にも適用できるため、イベントのアナウンスなどにも一工夫加えることができます。
音の内容だけでなく「聞こえ方」にもこだわってみましょう!