今回はワールドの光の設定の基本について紹介します。
光は雰囲気づくりに大きく影響するので、記事を参考に色々試してみてください!

ライトの明るさや色を変更してみよう
Unityでは数種類のライトを使うことができますが、今回は最もシンプルな「Directional Light」の調整をしてみます。
ほかの種類のライトについては以下の記事で解説しているので、興味があれば読んでみてください。
また、Unity公式のドキュメントも参考になります。
Directional Lightは太陽光のように一定方向から均一に照らす光です。
新しいワールドを作り始めたときにワールドにひとつ設置されているはずなので、そちらを使っていきます。
- 一からワールドを作った場合はHierarchyの直下に、CreatorKitSampleやテンプレートワールドを使っている場合はEnvironment>Lightingsの下にあります。
- またシーン上では太陽のマークで表示されているので、そちらをクリックすることでも選択できます。



また、探しても見当たらない場合は新しく設置することができます。
- Hierarchyを右クリックして、Light>Directional Lightを作成しましょう。

clusterでは「Realtime」「Mixed」のライトを合計で3つ以上配置すると、3つ目以降のライトはVertex Lightになります。「Realtime」「Mixed」って何?という方はこちらの記事をご覧ください!
Directional Lightを見つけた、または作ったら、クリックしてInspectorを開きましょう。
まずはライトの色を変えてみます。
- InspectorのLightコンポーネントにあるColorという項目をクリックします。カラーパレットから好きな色を選びましょう。

白いCubeを置いたワールドで比較してみます。初期状態の白いLightだとこのようになります。


Lightの色を変更し、少し青っぽくしてみました。


また色だけでなく光の強さも変えることができます。Intensityという項目の値を変えてみましょう。大きくするほど光が強くなり、小さくするほど弱くなります。

はじめと同じ白いLightですが、Intensityを0.5にしてみました。暗くなっているのが分かります。


環境光を変更してみよう
ライトの強さを0に近づけたりライトを削除してしまっても、真っ黒にはなりません。
これは「環境光」という仕組みがあるためです。
現実世界では電灯や太陽のあたらない影になる場所も、ある程度の明るさがあります。
空の色やあちこちで反射した光などが映り込むためで、この光を環境光と言います。環境光は言い換えれば「影の部分の明るさ」ということになります。

太陽や電灯といった直接的な光源の明るさはライトで、空間全体の明るさは環境光で調整しましょう。
ワールドの環境光には初期状態ではSkyboxの色が反映されています。以下の記事を参考にSkyboxを変更して見た目が変わることを確かめてみましょう。
環境光を「Skybox」にしている場合はライトベイクを行うと端末ごとの見え方の違いが少なくなります。


また、環境光も強さを変えることができます。
- Unity上部メニューのWindow>Rendering>Lighting SettingsからLightingウィンドウを開いてみてください。
- Lightingウィンドウ上部のタブで「Scene」が選択されていることを確認し、ウィンドウ内の「Environment」項目を確認してください。
- Environment Lightingの下のIntensity Multiplierという項目で明るさを変更します。

初期状態の1のときが以下の写真です。

Intensity Multiplierを最小値の0にしてみます。影がより暗くなっていることが分かります。


このとき、光が当たらず発光もしていない面は真っ黒になっています。

次は最大の8にしてみます。全体に明るくなることが分かります。


さらに、環境光はSkyboxの色だけでなく指定した色にすることもできます。
- Lightingウインドウをもう一度見てみます。Environment Lightingの下のSourceが「Skybox」となっていると思います。これを「Color」に変更しましょう。

- Ambient Colorという項目が現れ、クリックするとカラーパレットが表示されます。好きな色を選びましょう。影の部分の明るさになるので、暗めの色を選ぶのがおすすめです。

また、Colorの他にGradientという設定もあります。Colorは単色で全体を照らしますが、Gradientは空・地平線・地面のそれぞれの色を設定し、グラデーションで照らすことができるためより自然な表現ができます。

設定の例
ライト、環境光とも赤色~オレンジ色にすれば夕日のようなライティングになります(ここではSkyboxの赤色を環境光にしています)。



ライトのIntensityを弱くし、環境光も暗い色にすれば夜になります。少し青っぽい色を選ぶのが自然な表現のコツです。



ライトを白か少し黄色っぽくし、環境光をグレーにすると電灯で照らされた屋内の表現にいいかもしれません。



今回はDirectional Lightと環境光を利用して全体の明るさを変えてみました。
ライティングはワールドの第一印象にもなるので、こだわってみてください!