「霧」や「環境光」を設定してワールド全体の雰囲気を変えてみよう

シーンの「Environment(環境)」設定を変えることで、全体的な明るさや色味を調整したり、霧の中の視界や空気遠近法による距離感を表現したりといったことができます。
ワールドの雰囲気や空気感にこだわりたい場合に試してみましょう。

Environmentの設定は「Lighting」ウインドウの中にあります。

上部メニューから「Window>Rendering>Lighting」を選択してLightingウインドウを開き、その中の「Environment」タブを開くと、Environmentの設定ができます。

ワールドとしてアップロードした際に、デバイスによってEnvironment Lightingの設定が正しく反映されないことがあります。
スマホ等でログインすると見た目が変わってしまう場合は、Lightingウインドウの「Generate Lighting」ボタンをクリックしてベイクを実行することで直る可能性があります(ライトベイクの設定は必要ありません)。

Environment設定からSkybox、つまり背景の空を変更することができます。詳しくはこちらの記事で解説しています。

環境光とはライトで照らされていない状態のワールド自体の明るさです。現実世界で日陰になる部分も真っ暗にはならないように、ワールドでライトの陰になる部分は環境光で照らされます。

環境光には「Skybox」「Color」「Gradient」の3種類の設定があります。

環境光の設定は「Environment Lighting」の項目から変更できます。

空の色を反映させたい時は「Skybox」

「Source」に「Skybox」を選択すると、Skyboxの色を環境光に反映します。「Intensity Multiplier」を調整することで明るさを変更できます。

自由に好きな色に設定するなら「Color」「Gradient」

Sourceとして「Color」「Gradient」を選択すると、Skyboxとは別に自由に色を指定できるようになります。「Color」ではカラーパレットから単色を、「Gradient」では3色のグラデーションを設定することができます。

例えば光源による陰影を強調したい場合は暗い色にする、陰影が出にくい屋内の表現なら明るい色にしてライトを使わないなど、細かな調整が可能です。
現実での環境光は周囲からの無数の反射光などによるものです。周りの景色や光源の色を意識して、例えば青空の下なら水色、森の中なら緑色に近づけるといった調整をすると自然な表現になります。

Metallicを設定したマテリアルには金属のような映り込みが表現されますが、その際に映り込む景色を設定できます。
「Environment Reflection」の項目から設定でき、通常は初期設定のまま「Source」を「Skybox」としてSkyboxの景色を反映させることが多いですが、「Custom」を選択してCubemap画像を指定することで他の景色にすることもできます。

Fogを有効にすると、霧の中で近くしか見えなくなった視界や、遠くの山が白みがかって見えるような状態を表現することができます。

「Other Settings>Fog」のチェックをつけることでFogが有効になり、設定項目が表示されます。

「Color」で色を指定します。遠くにあるものほど指定した色に近づいていきます。

※Skyboxには影響しません。
※シェーダーによってはFogに対応しておらず、色が変化しない場合があります。特に、アバターに使われるMToonシェーダーがFogに対応していないことに注意してください。

遠景をぼかす表現の場合は、スポイト機能を使ってSkyboxの地平線あたりの色に合わせると自然な見た目になります。
白を指定すると霧の中、黒を指定すると暗闇の中で遠くが見えなくなるような表現もできます。

「Mode」で距離に対する色の変化の仕方を設定します。

  • 「Exponential」:指数関数で変化します。遠くの方まで自然な変化をさせたい時にオススメです。「Density」を大きくすると効果が大きくなります。
  • 「Exponential Squared」:Exponentialと比べて近くに効果がかかりづらく、遠くに効果がかかりやすくなります。
  • 「Linear」:最小距離と最大距離の間で線形に変化します。色が変化し始める距離を「Start」に、完全に指定した色になる距離を「End」に指定することができます。一定の距離までしか見えないようにしたい場合にオススメです。

「環境」の設定を変更すると、ワールド全体の光や空気感の表現ができます。
雰囲気にこだわる場合は試してみましょう!

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