草木をワールドに生やそう
Unity を使ったワールド作成では Scene に草木のモデルを配置することでワールドの見た目の情報量を増やすことができます。
Project ウィンドウからHierarchy ウィンドウにドラッグ&ドロップしたり、Terrain を使ってかんたんに草木をたくさん生やすこともできます。
Terrain で木や草を生やす詳しい方法はこちらの記事を参考にしてください。
しかし適切に軽量化されていない草木を大量に配置すると負荷が高まり、そのワールド内にいるとカクカクするようになってしまいます。
今回は快適にワールド内で過ごせるようにするために、負荷が比較的軽い草木のつくり方を紹介します。

平面メッシュでつくる草木
まず最初に紹介するのは四角形のメッシュをつかった草木のつくり方です。
複雑な形状の草木のモデルをそのままつくるのではなく、単純な四角形のメッシュを使うことで計算の処理が軽くなります。
こちらの方法は画像を用意するだけなので比較的簡単ですが、半透明のモデルを大量に配置すると、負荷が大きくなってしまいます。
一方でポリゴン数が多ければ、より細かく形状を制御できるので使う用途によって方法を見極めましょう。
- 最適なパフォーマンスのためのモデル作成|Unity公式ドキュメント
四角形のメッシュを組み合わせることで実際にポリゴン数を増やさずとも、ツタなどの観葉植物をつくることができます。

まずは草や木のアルファ付き画像(背景が透明なもの)を用意しましょう。
今回はAsset Store の「Nature Starter Kit 2」内にある草や木のアルファ付き画像を使用して、解説します。

- Hierarchyで左クリックか上部のGameObjectの3D ObjectからQuadを作成してください。
- 作成したら、Quadに草や木のテクスチャを割り当てます。
- マテリアル に Standard Shader を使用するとメッシュの裏面が表示されないため、Unity 標準搭載の「Nature > Tree Soft Occlusion Leaves」のマテリアルを使用します。
- 複製して草木を十字に組み合わせると横に回っても立体感のある表現にすることができます。

見た目をリッチにする工夫1
Blender などの3Dモデリングツールをつかってカクッと曲げたメッシュを用意します。モデルに凹凸をもたせることでより本物っぽい草木をつくることができます。
先ほどと同じようにマテリアルを割り当てて比べてみると、床と接地しているところに立体感があるように感じますよね。

見た目をリッチにする工夫2
パーティクルシステムを用いて草木をつくることもできます。
ビルボード表示という、ある面が常に自分の方を向くようになる表現ができるのが特徴です。
こちらの方法は近くのものに適用すると違和感が生じますが、遠い背景などあまり目立たないところに用いるとワールドの情報量を増やすことができます。

- 「Effects > Particle System」からパーティクルを作成します。
- 下図のように設定を変更しましょう。
- RendererのMaterialに設定したテクスチャが表示される草になります。
- また、『Vertical Billboard』に変更することで、常にZ軸に対して垂直にプレイヤーの方を向くようになります。

ローポリゴンモデルでつくる草木
次に紹介する方法は、草木の形に合わせてポリゴンをつくっていく方法です。
先述したようにポリゴン数が少なくとも半透明のモデルを大量に配置すると、むしろ負荷が大きくなってしまう場合があります。その時はローポリで草木をつくることで負荷を減らすことができます。
グラデーションのかかったテクスチャを使用するとよりリッチな見た目の草木になるので、画像編集ソフトを使える方はつくってみましょう!

Blender などのモデリングソフトを利用して草木のモデルをつくっていきましょう。
Blender の詳しい操作はこちらの記事を参考にしてください。
つくったテクスチャを割り当てるためにUV展開をします。
この場合は「現在の視点から投影」を使用してUV展開するのがおすすめです。
テンキーの5→1を押して、並行投影にして真横からの視点に変更します。編集モードに入り、全選択をしてUキーから「現在の視点から投影」を選択すると、現在見ている視点でUVを割ることができます。
BlenderでのUV 展開について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
書き出したモデルを先程と同じようにしてシーンに配置すれば完成です!

さまざまな軽量化方法
紹介した方法は草木のモデル自体を変えることで軽量化を行いました。その他にもさまざまな軽量化方法があります。
1つはLOD をつかって遠くの草木のディティールを変えたり消したりする方法、もう1つはオクルージョンカリングを使って見えないところの草木を消す方法です。

それぞれについてはこちらの記事を参考にしてください。
用途や目的に合わせて軽量化を行い、快適にワールド内で過ごせるようにしましょう!