Cluster Creator Kitの機能を使って、遊べるアイテムをつくってみましょう!
今回はアイテムに力を加えるギミックを使ったフライングディスク、また応用編としてブーメランのつくり方を紹介します。

アイテムを手で持てるようにする
手に持って放すと飛んでいくフライングディスクをつくってみます。
まずはシンプルに手で持てるアイテムをつくりましょう。
- Hierarchyを右クリック、または上部メニューのGameObjectからCreate Emptyを選択して、新しい空のGameObjectを作成しましょう。
- 名前は「FlyingDisc」としておきます。
- FlyingDiscを右クリックして子オブジェクトを作成し、「Models」「Colliders」「Grip」という名前にしておきます。
- 「Models」の子に3Dモデルを、「Colliders」の子にコライダーを設定しておきます。

- FlyingDiscを選択して、Inspectorの「Add Component」から「Grabbable Item」コンポーネントを追加します。
- Grabbable Itemコンポーネントの「Grip」の項目に子オブジェクトの「Grip」を指定しておいてください。
- ここで子オブジェクトを指定しておくと、アイテムを持った際に常に同じ位置と向きで持つことができます。
- Grabbable Itemを追加すると、自動で「Rigidbody」コンポーネントが追加されます。Rigidbodyの「Use Gravity」にチェックがついていること、また「Is Kinematic」にチェックがついていないことを確認してください。
- 「Use Gravity」は重力を有効にするかどうか、「Is Kinematic」は物理演算を無効にするかどうかを意味します。今回は重力を有効にして物理演算をさせるため、この設定にします。

以上で「手で持てるアイテム」としての設定は完了です。一度アップロードして確かめてみましょう。

手放すと飛んでいく仕組みをつくる
続いて、このアイテムを持ったあと「手放すと飛んでいく」仕組みをつくっていきます。
- FlyingDiscに、手放したことを検知する「On Release Item Trigger」コンポーネントを追加してください。
- トリガーをひとつ追加し、Targetを「This」、Keyを「Release」、Valueを「Signal」とします。
- さらに、このトリガーを受けてアイテムを押し出す瞬間的な力を加える「Add Instant Force Item Gimmick」コンポーネントを追加しましょう。
- Add Instant Force Item GimmickのTargetを「This」、Keyを先ほどと同じ「Release」に設定し、「Force」をZ = 10にします。
- ※似た名前のコンポーネントが複数あるため注意してください。

これで「手放すと飛んでいく」仕組みが完成です。ワールドに入って確かめてみましょう。

【応用編】ブーメランをつくる
さらに応用編として、飛んだあと帰ってくるブーメランをつくってみましょう。
飛んだあと、反対向きの力を加えて押し戻すことで帰ってくるようにします。
先ほどのフライングディスクをベースにつくっていきます。
- 今度は継続的に押し戻す力を加えるため、FlyingDiscに「Add Continuous Force Item Gimmick」コンポーネントを追加します。
- Targetは「This」、Keyは「Fforce」、Parameter Typeは「Bool」としてください。
- 「Force」はY = 10、Z = -15とします。Z方向に先ほどと逆のマイナスの力を加えることで押し戻し、またY方向に力を加えることで浮き上がるようにします。
- ※Y = 10、Z = 0に設定することで、ブーメランの代わりに浮き上がるように飛んでいく自然なフライングディスクをつくることもできます。
- Targetは「This」、Keyは「Fforce」、Parameter Typeは「Bool」としてください。
- このギミックを動かすため、すでにあるOn Release Item Triggerにトリガーをさらにひとつ追加します。
- 新しいトリガーはTargetを「This」、Keyを「Force」、Valueを「Bool」としてチェックをつけます。
これだけでは一度手放すとずっと推進力が働くようになってしまうため、一定時間で止まるようにしましょう。
- 「Item Timer」コンポーネントを追加し、Targetを「This」、Keyを「Release」、Delay Time Secondsを「1」にします。
- トリガーをひとつ追加し、Targetを「This」、Keyを「Force」、Valueを「Bool」としてチェックを外します。
- このように設定することで、手放してから1秒経過するとAdd Continuous Force Item Gimmickによる力が働かなくなり、自然に落ちてきます。

以上でブーメランの完成です。アップロードして確かめてみましょう。


Animationと組み合わせるなど、見た目も工夫してみましょう。

Cluster Creator Kitでは「トリガー」と「ギミック」を組み合わせて、様々な仕掛けを持ったアイテムをつくることができます。
「Add Instant Force Item Gimmick」「Add Continuous Force Item Gimmick」を使うと、アイテムの物理演算に外力を加えて動かすことができます。トリガーやタイマーでタイミングや力の強さを調整して複雑な動きをつくることもできるので、試してみましょう!