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clusterで多くの人がハマったメダルゲームを制作。ワールド制作にDJイベント、未経験からマルチに活動を続けるクリエイター──W@(ワット)さんインタビュー

多くの人が訪れ、設置されたメダルゲームで盛り上がっているワールド『WAT’S PLAYGROUND』。
今回は制作者であるW@(ワット)さんにお話を伺いました。

GAMEJAMをきっかけにclusterワールド制作をはじめたW@(ワット)さん。

DJイベントなどマルチな活動をされていますが、その原動力はどこにあるのか、ワールド・イベント制作の楽しさ、『WAT’S PLAYGROUND』のアイデアはどういうきっかけで生まれたかなど、ワールド制作の可能性が感じられるインタビューになっています。

Cluster GAMEJAMをきっかけにワールド制作へ

──今日はお時間いただきありがとうございます。まずは普段どういうことをされているかからお聞きできればと思います。

基本的に好きなようにワールドをつくったり、イベントを開いたりしています。
最近だとDJイベントをやったりしてますね。ワールドはこのワールド(『WAT’S PLAYGROUND』)が流行りすぎたおかげで、ほかが薄れちゃって、嬉しい悲鳴をあげています(笑)

──W@さんはワールド制作に限らずイベント開催などマルチに活動されていますよね。元々そういう経験があったのでしょうか?

DJに関してはまったくなかったです。ただもともと趣味でUnityを触っていてアプリ開発などをしていたので、ワールド制作についてはその延長線上にあると思います。

──なるほど。以前はどういうものをつくっていたんですか?

ジャンルはミニゲーム的なものですね。長編的な大それたものではなく、小さなゲームをつくってました。

──clusterを知ったきっかけはどのタイミングだったのでしょうか?

ClusterGAMEJAM 2020 in SUMMER」です。先ほど言ったようにUnityはちょっと触れていたので「まあ挑戦してみるか」と思って。

──その前からclusterの存在自体は知っていたのでしょうか?

一応知ってはいましたが、GAMEJAM以前はそういうサービスがあるんだなー程度でした。Unity触っている関係上、TwitterでGAMEJAM関係の情報は自然と流れてくるんですけど、その中でclusterがGAMEJAMをやっているらしいというのを見かけて、しかも、賞金がすごい出るみたいなことが書いてあったので「これは参加してみるか」と思って(笑)

──なるほど(笑)最初のワールド制作はどうでしたか?

最初はバグだらけの動かないワールドを投稿して終わっちゃいましたね(笑)
当時、確か「ClusterGAMEJAM 2020 in SUMMER」のちょっと前くらいにロジックが追加されたくらいだったと思うので、完全にやられました。「Unityでは動いているのにー」ってなりました(笑)

W@さんの最初の投稿ワールド『超社会的距離コンテストV1.1

──つくろうとしていたワールドが複雑すぎてしまったということでしょうか?

Cluster Creator Kit(以下、CCK)を使うのがはじめてだったのでCCKでどれだけのものができるのかなという感じで、比較的シンプルなゲームにしたつもりでした。ただ「せっかくなのでみんなで遊べるようにしよう」としていったら、だんだん複雑化していって、結果的に動かなくなった感じですね(笑)

実際あの時は無謀でしたね。ルールはシンプルだったんですけど、システムが明らかに最初に挑戦する内容じゃなかったです(笑)

「目の前で遊んでもらう体験」の衝撃

──2個目に制作されているワールドはプレイ数も多く、色々な方に遊ばれている印象ですが、こちらはどういうきっかけで制作されたのでしょうか?

2個目のワールド『風船銃バトルロワイアル』は「clusterゲームワールド杯2020」でつくったものですね。

「ClusterGAMEJAM 2020 in SUMMER」で挫折してclusterには二ヶ月間くらいあまりインしてなかったんですけど、今度は一ヶ月間くらい制作期間がある長いGAMEJAMみたいなやつがあるって聞いて、リベンジしようということでつくりました。

──1回目の経験を活かそうと考えて、2個目のワールドは制作されたんですか?

そうですね。ちゃんとCCKを学んでからワールドをつくろうと思い、最初はプロトタイプをいっぱいつくってCCKでどんなことができるのかを、テストしながらつくっていきました。時間もあり、ゆっくりつくることができたので、やっと遊べるくらいの形になったって感じですね。

自分の中では2回目にしてはうまくいった方なんじゃないかなと思っています。

風船銃バトルロワイアル

──なるほど。『風船銃バトルロワイアル』には色々な方が遊びに来られたと思いますが、Androidアプリとしてゲームをつくっていた時と比べて、いかがでしたか?

全然違いますね。アプリをつくっていた時は、感想もらう手段って大概レビューとかで基本的に文字なんですよ。
実際に遊んでいる様子は実況とかされないと見れないわけで。どんな風に遊んでいるんだろうっていうのは気になってはいましたが、まあ見れないですよね。一方でclusterで『風船銃バトルロワイアル』をつくった時は目の前で遊んでもらえる上に感想が直にもらえて「これすげー体験しているな」と思いました。

──やっぱりそういう反応が直にくると嬉しいですよね。

いやー、嬉しいですね。アプリ開発とは比にならないくらいです。そのおかげで完全にハマってしまいましたよね(笑)

ワールド・イベント制作の気軽さに気づき、活動を広げていく

──最初はコンテストをきっかけとしてワールドをつくられていると思いますが、次第にコンテスト以外のタイミングでもワールドをつくられているようになったと感じています。何かきっかけはあったんですか?

風船銃バトルロワイアル』を遊んでくれた人の中に、るーしっどさんのような昔からclusterにいる方がいらっしゃって。知り合った流れでワールド巡りに便乗したりしている中で、色々なワールドがあるんだということを知って、そこから自分でも色々なワールドをつくってみたくなったという感じですね。

──その辺りからゲームじゃないワールドも投稿されている印象はありますね。それはワールド巡りされている中で、こういうワールドもありなんだなというところからつくるようになったのでしょうか?

ワールドづくりというのは思いの外、敷居が高いものじゃないなってのが分かってきたので、だんだん気軽につくるようになりましたね。

W@さんが制作したワールド『除夜の鐘。

──DJイベントも、フレンドの方と遊ばれている中でやろうと思いついたんですか?

DJイベントは、ちょうど1年前くらいに「せっかくの誕生日だから新しいことに挑戦してみよう」って感じで開催したのが最初ですね。
音楽を聞くことは好きだったんですけどDJしたことないなって思って(笑)

最初のDJイベント『【初!!】DJやってみる!!

──そこから継続的にDJイベントを開催していますよね。

今でこそ毎日のようにDJイベントや音楽イベントがあったりしますけど、当時はそういうイベントがあまりありませんでした。なので色々な人にやってもらいたいという個人的な思いから、そうしたイベントを広めたいなと思って。
まずは自分がやって、それで誰かがつられてやってくれたら嬉しいなという感じでやっていたりしましたね。今は色々な音楽が聞けて嬉しいです。

好きだった「物理抽選」をワールドに組み込む──『WAT’S PLAYGROUND』について

──それでは本題である『WAT’S PLAYGROUND』について伺えればと思います。
このワールドはW@さんがこれまでにつくられたclusterアイテムが置かれていたり集大成っぽさをすごく感じたんですけど、ワールドをつくろうと思ったきっかけはあったんですか?

まず一つが、自分が色々なclusterアイテムをBOOTHで販売しているので、そういうのが置けるワールドをつくりたいなというところですね。
もう一つが七種あきのさんが『小小的海底世界』で「常駐ワールドはいいぞ」っていう話をしていて、それを聞いて自分も居座れるようなワールドをつくりたいなと思ったのがきっかけですね。

小小的海底世界』七種あきの

──なるほど。「常駐できるワールド」ということで、どういうワールドにするかというアイデアみたいなものはあったんですか?

「せっかく常駐するんだったら来た人に遊んでもらいたいな」という思いがあったので、それならゲームセンターみたいなものをつくってしまえばいいんじゃないかと考えました。自分も作業に集中できるし、みんなも遊んでもらえるので、Win-Winかなと。

自分は普段は雑談しない方なので、自分を介さなくてもいい感じに遊んでくれたらいいなと思い、こういうワールドにしました。

『WAT’S PLAYGROUND』で遊べるメダルゲーム

──『WAT’S PLAYGROUND』はワールド自体がゲームになっているのではなく、ワールドにゲームが組み込まれているというのが面白いなと思いました。
最初につくられていたゲームワールドと異なり、このワールドは「雑談する場所」と「ゲームする場所」がうまく分かれていて、雑談したい人もゲームに集中したい人も一緒にいれるというのがすごくバランスがいいですよね。
こうしたワールドの工夫はW@さんがこれまでに色々なワールドを作成してきた中で制作する時の考え方が変わってきた部分があるのでしょうか?

ゲームワールドとは雰囲気が全然違いますもんね。こういうワールドがつくれるようになったのは、自分の中で技術革新が起きたからですね。

そのきっかけが以前制作したclusterアイテム「リバーシ」でした。
「リバーシ」はワールドに何個も置けるんですけど、ゲームワールドとはつくり方とか考えなくてはいけないところが違うんですよね。
これをつくったことでアイテムごとにロジック化したつくり方ができるようになったので、ワールドに色々なゲームを置くことができるようになり、『WAT’S PLAYGROUND』のようなワールドをつくれるようになりました。

W@さんが制作したcluster用アイテム「リバーシ

──このワールドは現在メダルゲームがメインになっています。メダルゲームって学生の時はよくやってましたけど、社会人になった時にあまり触らなくなったので、このワールドでやった時は新鮮だなと感じました。「メダルゲームをつくろう」などのアイデアはどこから発想しているのでしょうか?

自分も学生の時とかはゲームセンターのメダルコーナーに行ったりしてたんですけど。あんまりハマらなかったんですよね(笑)

ただまあ、自分は「物理抽選」が大好きなんです。
Unityだったら物理演算がありますし「あのゲームセンターに置いてあるやつがワールドに置いてあったら面白くない?」というノリで、つくり始めた感じですね。

──バーチャル空間では、そういう予期せぬことが起こることは少ないので、物理抽選の要素が入ったアイテムがワールドに置かれるのが面白いなと思いました。

スロットとかは個人的につまらないというかマンネリ化しちゃうんですよ。「これ確率いじられているんじゃないか」とか考えちゃって。
物理だとランダム性が目に見えて分かるので、物理抽選の要素が入ったゲームはめっちゃ好きですね。

──「物理抽選が好き」っていうキーワード面白いですよね(笑)

物理抽選の要素が入ると人がプレイしているのを見るだけでも面白いので、それも結構大きいですね。

来た人とコミュニケーションを取れるように──ワールドの動線設計について

──次はワールドの動線設計の話を聞きたいです。『WAT’S PLAYGROUND』では入ってすぐにゲームを遊べるわけではなく、2階にゲームが配置されています。この構成にした理由はあるんですか?

まず、ワールドに入ったらカウンターが見えるようにすることを意識しています。
普段は自分がカウンターに座っているので、ワールドに入ってくる人がいたら、手を振ったりして、コミュニケーションができるので。

カウンターに置いてあるメダルがもらえるボタンも同じ考えですね。このワールドで遊ぶためにはメダルが必要で、ここに来ないとメダルがもらえない。なので、メダルをもらいに来た時にコミュニケーションが取れることを目的としてカウンターに設置しています。

──メダルをもらえるボタンであったり、このワールドでできることが徐々に分かっていく設計になっているのが面白いなと思いました。

ですね。探索してたら新しいの見つけたみたいな感じの要素は結構ありますね。
もちろん入ってすぐに2階に上がっちゃうって人もいるんですけど、階段登ってる最中に手振れたりしますし。

──なるほど。階段が折り返しているので、確かにそれもできますね。
貼り紙してある「Unity相談室」もコミュニケーションのきっかけみたいなことを意図しているのでしょうか?

clusterに「画面共有」機能が追加されて、Unityで作業している時は大概ここで画面共有しながら作業しているので、それならUnity開いてるし、何か質問あったら、その場でパパーっとつくれちゃうので、そういうのいいかなと思ってはじめたのがきっかけですね。

──めちゃくちゃありがたいですね……今、20,000近くのプレイ数があるみたいですが、ワールド公開して実際に遊ばれるようになって気づいたことはありますか?

想像以上に人が来てますよね。まだメダルゲームができる台は2種類しかつくってないのに……
みんなこういうのに飢えてるんだなと思いました。これだけの人に楽しんでもらえるワールドをつくれたので、嬉しいです。

──「メダル沼」とか言われてますもんね(笑)

「これはやばいやつをつくってしまったのではないか」と思ってしまったレベルには皆、どんどん沼にハマっていますよね(笑)
メダル持っている人の中には100万くらい稼いでいる人がいるので、一体どれだけの時間溶かしているんだろうと思ったりしています(笑)

──徐々に遊べるゲームを増やしていっている印象ですが、最終形みたいなものは考えているんですか?

追加したいなと思ったやつを追加しているので、最終形とかはまだ考えていないですね。

──来た人の反応を見ながら、追加するものを決めているんですか?

そうですね。3階に貯めたメダルを使うとただ首を振るだけの変なオブジェを追加したんですけど、これは「無駄遣い要素が欲しい」という声があったので、追加したんです。そういう要望が出て応えていくのは、自分になかった発想も出てくるので、面白いですね。

──「貯めたものを使えるように」っていうことですね。

ただただ無駄なんですけど(笑)
考えてみると、ワールド内通貨があるワールドって他には見ないですね。

──ワールドのギミックをつくるのも難しそうな印象がありますね。

メダルに関しては複雑ではないので、みんなも真似すればいいと思いますね。このメダルのシステムを配布しようとは一瞬考えたんですけど。何らかの形で広がればいいなとは思っています。

──つくり方の記事でも大丈夫ですよ(笑)

つくることで物事を見る解像度が上がる──ワールド・イベントを開催し続ける原動力

──W@さんはワールドもイベントもどっちも精力的に開催されていますが、原動力はどこにあるのでしょうか?

つくりたいものをつくってるだけですね。

──つくりたいものってどういう時に出てくるのか、もう少し詳しく聞かせてください。

結局、経験からですね。
特殊かもしれないんですけど、自分は楽しいと思ったことがあったら「これを再現するならどんな風にするかな」という思考に至っちゃうんですよ。
完全に創作中毒みたいな感じかもしれないですけど(笑)再現できそうだなと思いながら、色々なものを見ちゃうんですよね(笑)

──そういうものの見方をするようになると、ものを見る時の解像度が上がって楽しいですよね。

楽しいですね。
CCKの制約もあったりして、実際につくってみないと「これできなかったっけ」ってなったり、大変ではあるんですけど。今つくっているビンゴも苦戦しています。

──ビンゴもまさに物理演算的なところが特徴ですよね。

玉が転がって抽選する様子をみんなで見れたら面白いなと思って、つくり始めたんですけど、めちゃくちゃ難しいですね(笑)

『WAT’S PLAYGROUND』をつくるようになって、ゲームセンターにまた行くようになったんですよ。しばらく行かなかったうちに新しい筐体とか増えてて「これ面白い」ってなってclusterで新しくつくることになっています(笑)

今つくっているビンゴゲームもまさにゲームセンターで見かけて面白いなって思ってつくり始めました。

──ゲームセンターも色々進化してそうですからね。

ワールドにいるのは「友達の家に集まって遊んでいる感覚」

──色々なワールドやイベントを制作されているW@さんですが、おすすめのワールドやイベントはありますか?

「こんなワールドつくっておいて何言ってるんだ」って感じですけど、clusterではアバターを置いて裏でがっつり作業していることが多いので、基本的に自分は静かなワールドが好きです(笑)

最近だとCafufuさんの『雲の上』というワールドで、フレンドで集まってゲームの画面共有しながらよく遊んだりしてるんですけど、自分はその様子を静かに眺めながら遊んだりしています。なんか集まって画面ひとつ見ながらというのが友達の家に集まって遊んでいる感覚で良いんですよね。

雲の上』Cafufu

──確かにCafufuさんのワールドの広さはちょうど良さそうですね。静かなワールドが好きとは意外でした(笑)
最後にclusterについて期待していることがあれば教えてください。

やっぱりワールドクラフトのストア機能は個人的に楽しみです。

──色々なclusterアイテムをつくっているW@さんにはうってつけですね。

既にワールドに置ける物をたくさんつくっていますしね(笑)
出そうと思えば、『WAT’S PLAYGROUND』のメダルゲームもワールドクラフトにいくらでも配置できる感じにしているので。

あとは、CCKの機能がもう少し色々なことができれば表現の幅も広がるなと思っています。凝ったワールドをつくるってなると、例えばアバターに装着できるアイテムみたいなものが欲しいなっていうのはありますね。頭に追従とか手に追従とかができれば、ゲームワールドでも色々なものができるんじゃないかなと思います。

──なるほど。参考にさせていただきます。今日はありがとうございました!

今回のワールド
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