clusterのトップページにある「オンライン」一覧に、砲撃中の戦艦が映ったサムネイルのワールドがときどき並んでいるのをご存知でしょうか。
これはGalupenoさんが作った艦隊戦ゲームのワールド『Feindliche Flotte』で、その対戦会が定期的に開催されているのです。

いま何人もの人が『Feindliche Flotte』にハマっていて、僕(謎部えむ)も継続的に対戦会に参加しています。
1隻の戦艦を艦長(1人)と砲手(1人か2人)で操作し、相手チームを全滅させたら勝利という対戦ゲームで、これがまあ面白い!
何が面白いかというと、2隻対2隻や3隻対3隻で対戦することがほとんどなんですが、チーム内で戦術とコミュニケーションを駆使しないと勝てないこと、そして「もっとああすればよかった」と改善ができる奥深さがあることです。

この記事では、clusterを愛する皆さんにもプレイしてみてほしいという気持ちを込めて、『Feindliche Flotte』を紹介します。
clusterで初めて感じたeスポーツな瞬間
そもそも僕がなぜこのゲームを面白いと思っているのか。それを象徴する試合がありました。
つい先日、初めて4隻対4隻で対戦したんですが、その1戦が本当に楽しかったんですよ。僕は4隻に指示する司令官として試合に臨み、てんやわんやになりながらも勝利を収めました。
司令官と各艦長で意思疎通しながら艦隊を移動させ、敵艦の動きを見ながら砲手にとって撃ちやすい位置を探る――というのは2隻ならそれほど難しくありません。でも、今回は初となる4隻同時の艦隊行動で、戦術も分からず、どうすればいいのかずっと考えながらの試合でした。

最初は1隻を撃沈したものの、すぐにこちらも沈められ、3隻対3隻に。そのあといい感じにダメージを与えていたんですが、敵艦1隻が裏から回ってきて挟み撃ちにされたんです。そのままダメージレースを展開しつつ1隻を沈めながらも、こちらの2隻を先に倒されてしまい、1隻対2隻と数的不利を被りました。
こうなると撃沈された戦艦の艦長と砲手は生き残っている戦艦の応援に入ります。数的不利はあれどあきらかにダメージ有利があったので、僕は勝てると確信していました。
ですが、砲撃の手数からすると与ダメージはこちらのほうが低いので、砲手がいかに砲撃を当てられるかの練度が勝敗を分かつことに。幸い1隻を撃沈したあと一騎打ちの状態になって、メンバーからの声援は最高潮。
大きな体力の余裕はあっても不安がよぎる数分間の激闘を制した瞬間、全員で歓声を上げてしまいました。そのときはまさに「eスポーツな瞬間」だったと思います。clusterでは初めての経験でした。
対戦ゲームの醍醐味がある
この艦隊戦ゲーム『Feindliche Flotte』では、チームの各艦に艦長と砲手がおり、艦長は砲手に敵艦の位置と砲撃タイミングを指示します。そして、チームの戦艦は2隻か3隻(ときに4隻)あるので、全艦に指示をする司令官も必要です。

実際に砲撃を当てるのは砲手に託されていますが、敵艦に当てやすく移動・旋回するのは艦長の役目であり、各艦を有利なポジションに導くのは司令官の仕事です。
戦艦には1940年頃の日本、アメリカ、ドイツ、イギリスから2種ずつ(計8種)があって、体力(排水量)や射程のパラメーターは個性豊か。マップは太平洋やソロモン諸島などいくつか用意されています。

そのため、勝利するには自他の艦隊編成とマップに合わせた戦術を考え、それを実行するためのコミュニケーションが不可欠です。
1つのミスが命取り、的確な指示と精確な砲撃のためにチームメンバー全員が意識を研ぎ澄まします。戦闘中は艦長たちの指示が飛び交い、砲撃が当たれば歓喜の、撃沈されれば悲嘆の声が上がります。
まだまだプレイ回数とプレイヤーが少ないため戦術もコミュニケーションも発展途上なんですが、それほど戦い方に奥深さがあり、勝っても負けても「ああすればもっとよかったかも」と反省ばかりです。
反省とは言い換えれば成長と改善の機会。それこそ対戦ゲームの醍醐味であり、『Feindliche Flotte』を奥深く面白くしている大きな要因です。
一緒にプレイする人を募集中(毎週金と隔週日)
この艦隊戦ゲームはclusterというメタバースプラットフォーム上にあるので、プレイヤーのマッチングシステムやランクシステムは搭載されていません。チーム機能やスコアもなく、全試合が手動のカスタムマッチで行なうスクリム(練習試合)のような感じです。
ただ、clusterが誇る最強クリエイターの一角、Galupenoさんがclusterでできることを最大限に盛り込んで作り上げたゲームとなっており、そのクオリティは半端ではありません。
そんなわけで、一緒にプレイする人を募集中です!
いまのところ、毎週金曜日と隔週日曜日の21時から1時くらいまで定期的に対戦会を開いています。場所はもちろん、『Feindliche Flotte』のワールド。
Feindliche Flotte 1.9|メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)
とりあえず、対戦会の時間帯に同ワールドのパブリックサーバーに来てもらったら、誰かがあなたを誘いに行くと思います(たぶんだいたい僕が)。
対戦会の音頭を取っているのはびすまるくさんという人で、ドイツが好きな歴史&ミリタリーオタクです。優しくていい人なので、気軽にお声がけください。このゲームの監修者でもあるんですが、4月か5月に突然盛り上げようとし出した張本人です。
PCでもスマホでも、VRゴーグルでもプレイできるのがclusterのいいところ。チーム対戦ゲームやeスポーツタイトルをプレイしたことがない人も、この楽しさを一緒に体験しましょう!
今後の個人的な期待と展望
最後に、『Feindliche Flotte』とメタバースのeスポーツに関する個人的な期待と展望をざっと書いておきます。
このゲームをプレイするモチベーションは人それぞれですが、ゲーム自体の面白さやそのとき勝利することの快感など、現状ではその場限りのことにモチベーションを頼ってしまいがちなので、早々に飽きる人が出てくるのではないかと懸念しています。
eスポーツタイトルをプレイしたことがある人なら分かるように、ただ楽しいというだけではなかなか継続できません。逆に、トップランカーになる、ライバルと競う、チームで活動する、大会に出場して優勝する、といった大きな目標があれば、モチベーションは維持しやすいです。
僕は『Feindliche Flotte』がcluster初のeスポーツタイトルとなるポテンシャルを持っていると思いますし、メタバース発のeスポーツとしての先行事例となるのに非常に有望だと考えています(それほどクオリティが高くて面白い)。
メタバース発のeスポーツとはどんなものか。僕が考えるに、その1つはクリエイター、プレイヤー、オーディエンスが一体化した、数十人から数百人くらいのごく小規模なタイトルになるはずです。
そして、そうしたタイトルがいくつも立ち上がっている状態。これがメタバースにおけるeスポーツのあり方になりうるのではないでしょうか(VRChatで行なわれているVRCボクシングがよき例です)。
ただしもちろん、一方では企業による大人数のプレイヤーを擁するタイトルも生まれるかもしれません。でも、草の根というかクリエイターエコノミーというか、個人クリエイターが前面に出てきてプレイヤーもみんな知り合いというような価値観によるeスポーツがメタバースに生まれてくれば、すごく楽しそうです。

『Feindliche Flotte』の作者であるGalupenoさんはこのゲームのアップデートやバランス調整をしてくれていますし、自身も対戦会に参加しています。最近は広報活動も大事だと動き出そうとしているようです。
だからこそ、僕としてはもっと多くの人にこのゲームをプレイしてほしいし、一緒にプレイしたいと思っています。勝利の快感を得るにも、対戦相手がいないと無理ですからね!
そして固定メンバーによるチーム活動をして、大会もやりたい。ただ、このあたりはまだプレイヤーが少ないので難しそうですね。なんといっても4隻を動かすなら1チーム最低8人必要なので、いまだと多くて3チームが限度でしょうか(毎回対戦会に参加できるかを考えると2チーム?)。
もし8チームくらいが誕生して、トーナメントなりリーグなりを開催したと想像してみてください。スクリム(練習試合)も頻繁に行なわれるでしょうし、より綿密で強力な戦術が生まれると思われます。さらには、各チームのランクもポイント制で作れるようになるかもしれません。
cluster初のeスポーツ、おおいに可能性があると思いませんか? 一緒に遊べば友達もできるし、もっと盛り上がっていけばclusterないしメタバースの歴史に名が残ります。
何にせよ、そうしたことは置いておいてもとにかく面白いので、ぜひ一度遊びに来てください!対戦会は毎週金曜日と隔週日曜日の21時から1時くらいまで開催しています。

