clusterのワールドには画像や動画を投影できるスクリーンを設置できます。
実はこのスクリーン、平面だけでなく好きなモデルにも利用することもできます。
今回はそうしたオリジナルのスクリーンのつくりかたを解説します。

Quadをスクリーンにする
まずは基本的なスクリーンのつくり方を説明します。
プリミティブオブジェクトの「Quad」を使って、オリジナルスクリーンをつくってみます。
- Hierarchyを右クリック、または上部メニューの「GameObject」から3D Object>Quadを作成します。

- Quadを選択し、InspectorからTransformを確認します。Scaleを変更して、X=1.6、Y=0.9を入力してください。
※16:9の比率であれば他の値でも構いません。

- さらに、Add ComponentからStandard Main Screen Viewを追加します。

これでQuadをスクリーンとして画像投影できるようになりました。アップロードして確認するほか、プレビューでもテスト画像で確認できます。
テスト機能の使い方はこちらの記事を参考にしてください。

このままでもスクリーンとして使うことができますが、ライティングによっては影になって見えづらくなってしまいます。マテリアルのシェーダーを変更しましょう。
マテリアルのシェーダーはサンプルプロジェクトに含まれる「ClusterVR/InternalSDK/MainScreen」がオススメです。他のシェーダーでは正しく表示されない場合があります。
- まず、サンプルプロジェクトのリンク先からサンプルプロジェクトをダウンロードしてUnityにインポートしてください。
- Projectウインドウを右クリックしてマテリアルを新規作成します。
- 次に作成したマテリアルを選択してください。
- InspectorでShaderを「ClusterVR/InternalSDK/MainScreen」に変更してQuadに適用しましょう。



これで、影でも明るく表示されるようになりました。
オリジナルのモデルをスクリーンにする
同じ手順で、オリジナルのモデルもスクリーンにすることができます。
少しだけUV展開の工夫が必要なので、その点だけ注意しましょう。
まずはモデルをつくります。モデリングするならBlenderがおすすめです。Creators Guideにもいくつか記事があるので、まだ挑戦したことない方はぜひ参考にしてみてください!Blenderカテゴリはこちら。
今回は角の丸くなったスクリーンをつくってみました。

ここで、スクリーンに投影された画像はUV座標(0, 0)から(1, 1)に展開されます(下の画像の左のようにいっぱいいっぱいに展開されていれば大丈夫です!)。
そのため、スクリーンにしたいメッシュのUVもこの範囲に広げておきましょう。
Blenderであれば正面ビューなどにしてから「ビューから投影」または「ビューから投影(バウンド)」で展開するのがおすすめです。

展開できたらFBX形式のデータに書き出してUnityにインポートしましょう。FBX形式のデータに書き出すときのポイントはこちらの記事にまとめています。
- インポートできたらモデルをシーンに配置し、先ほどと同じようにモデルにStandard Main Screen Viewを追加します。
- 今回はTransformのScaleを(1, 1, 1)のままで使うので「Use Custom Aspect Ratio」にチェックを入れる必要があります。
※チェックがついていない場合はTransformのScaleが、ついている場合はScreen Aspect Ratioに設定した値が画面のサイズ比として適用されます。
- マテリアルのシェーダーも忘れず変更しておきましょう。

これで、自作のモデルをスクリーンにすることができました。

モデルの一部分をスクリーンにする
少し工夫すれば、モデルの一部分だけをスクリーンにすることもできます。今回はこちらのテレビの画面だけをスクリーンにしてみます。

- まず、スクリーンにしたい部分を別のメッシュにしてください。
- メッシュが一体になっている場合、Blenderでは編集モードで別のメッシュにしたい面を選択して「P」キーで分割することができます。

- 分割したメッシュをUV展開して、先と同様にUV平面いっぱいに広げましょう。

- このモデルをUnityにインポートし、シーンに設置します。
- Hierarchyでモデルのオブジェクトを展開し、スクリーンにしたいメッシュのInspectorでStandard Main Screen Viewを追加します。必要に応じてUse Custom Aspect RatioやScreen Aspect Ratioを設定します。
- マテリアルのシェーダーも変更しましょう。


これでモデルの一部分だけをスクリーンにすることができました。

UV展開を工夫して様々な表現をしてみよう
自作モデルにStandard Main Screen Viewをつける場合、UV座標を工夫することで様々な表現をすることができます。
例えば各面のUV座標を一点にまとめれば、動画を流したときに単色でキラキラするようなオブジェクトをつくることができます。


分割や反転をしたり、比率を変えてみても面白いかもしれません。

ちょっとした工夫で様々な表現ができるので、色々試してみましょう!